構造用鋼、条鋼、電炉製品へも値上げ加速
『下期の薄板ひも付き交渉も大幅値上げ』
電機・住宅向けの薄板ひも付き材の値上げも妥結した模様です。本年の鋼材価格上昇を受けてこちらも大幅の値上げを妥結。値上げ幅は明確ではないものの、本年の値上げ幅の大半を妥結したとのことなので自動車とは違い、ほぼ6万円に近いものと考えられます。
『構造用鋼も12年半ぶり高値』
一般鋼材のみならず、構造用鋼にも値上げの浸透が行われます。スクラップ高と合金の資材高を受けて構造用鋼へも値上げの波が押し寄せています。鋼材全体の値上げが浸透していく過程で、メーカーと需要家とも素材高を受け入れていくことが進んでいます。
モノづくり全体で素材高を反映して日本のモノづくりを堅持していくためのこれからの大きな戦いが始まっていると感じます。
『電炉品もスクラップ買値が上昇』
スクラップの高炉の調達価格も高値が続いています。コロナ禍の生産体制への影響により、発生の減少が顕著になる中で関東を中心に電炉各社のスクラップ買値が続伸を続けています。
『スクラップ入札価格も想像以上の高値』
スクラップの関東での入札価格も市場の予想を大きく超える大幅の上げで落札しました。上記にあるように素材の高値が続く中でのスクラップも大きな上昇になり、本年末からの鋼材価格も高値を続け、更なる上昇基調につながる要素も大きくなってきています。
『東京製鉄型鋼類5000円値上げ』
上記の状況を受けて11月の型鋼類の販価を5000円(トンあたり)値上げを東京製鉄が発表しました。これにより鋼板に比べて遅れていた条鋼類の値上げが進み、すべての品種への値上げの断行が行われることは必至です。
2021.10.20
アダチ鋼材株式会社
info@adachi-k.co.jp