6月は2022年計3万円の値上げへ
日鉄21年度は最高益、CO2ゼロ鋼材発表
日本製鉄は21年度の決算を発表。過去最高益を更新しました。これにより以前より取り組みを始めている高炉の改修・機能集約に拍車をかける予定です。13日にはCO2ゼロ鋼材の23年度よりの供給開始を発表しました。研究開発への投資やカーボンニュートラルへの取り組みにも傾倒し、リーディングカンパニーとしての次世代投資にも積極的に取り組めるようになりました。2020年の値上げ開始に際して日本製鉄が唱えた、新たなステージにむけての積極的な開発に向けての利益確保という姿勢を具現化していることになります。
鉄鋼市況は引き続き堅調を維持
2022年4-6月期の粗鋼生産は前期(1-3月期)よりも増加傾向にありました。鉄鋼市況は底堅く、マイナスリスクはあるとしても今期も全体の需要状況は堅調を続けると経済産業省は予測を立てています。
鋼板値上げ浸透へ
日本製鉄はニッケル高を受けたステンレス鋼板の追加値上げを発表しました。クロム系の鋼板に関しても大幅値上げになりました。
さらに神戸製鋼も6月よりの鋼板の1万円の値上げを発表しました。これで年初よりの神戸製鋼の値上げ発表幅も他社と同様の3万円にのぼりました。高炉3社の値上げ幅がそろったことで市況全体の値上げ幅が維持され、本年下期にかけての市況の更なる上昇要因につながることが確定しました。
企業物価指数も大幅上昇
日銀が発表した企業物価指数を発表しました。4月の企業物価の上昇幅は10%と指数最高の値を示しました。素材以外の物価も上昇していますが、中でも鋼材などの生産に関わる素材の上昇率が現状は大きく、製品の値上げ幅はまだまだ低い値とその格差も大きくなっています。今後の企業物価の値上げの製品への転嫁が課題になっていくこと必至の状況です。
日本製鉄H型鋼2万円値上げ JFEスチール鋼管2万円値上げ
日本製鉄はH型鋼を6月より2万円値上げを発表、JFEスチールも鋼管類を2万円値上げすると発表しました。これは鋼板などの鉄鋼製品の値上げをうけて、2次製品などのその他の鉄鋼製品も値上げが浸透していることになります。
鋼板価格も再び上昇へ
鋼板価格が一時的な踊り場感を払しょくしさらに値上げへと動き出しました。これにより2020年から21年の合計6万円を超えての値上げした市況へ推移してくること必至です。日本製鉄はH型鋼を6月より2万円値上げを発表、JFEスチールも鋼管類を2万円値上げ値上げを発表しました
ひも付きも上昇へ
日本製鉄は遅まきながらユーザー各社への値上げも浸透させるべく価格交渉を急いでいます。各社4万円の値上げ交渉を開始しているようでこれを断行できればやっと昨年2021年での値上げ幅の合計6万円に達すると考えられます。しかし、店売りへの今年になっての3万円以上の値上げは未だ少しも反映しておらず、大手ユーザーと店売り各社との価格差は全く埋まっていません。
2022.5.31
アダチ鋼材株式会社